技術用語集 熱処理 表面焼き入れ

表面焼き入れとは、部品の表面だけを硬化させる熱処理で、内部の靭性を保ちながら、摩耗や疲労に強い表面を得るために行われます。

表面焼き入れの主な用途

  • 歯車・軸・カムなどの摩耗部品:表面硬度を高めて耐久性を向上
  • 疲労強度の向上:繰り返し荷重に耐える部品に適用
  • 衝撃耐性の確保:内部が靭性を保つことで割れにくくなる
  • コスト削減:高価な材料を使わずに、必要な部分だけを硬化可能

表面焼き入れの主な種類と特徴

■高周波焼き入れ

  • 処理方法:電磁誘導加熱 → 急冷
  • 特徴:表面のみを短時間で加熱・硬化。歯車や軸に多用される

■炎焼き入れ

  • 処理方法:火炎加熱 → 急冷
  • 特徴:大型部品や現場処理に適する。設備が簡易

■レーザー焼き入れ

  • 処理方法:レーザー照射 → 急冷
  • 特徴:精密部品に適し、局所的な硬化が可能

■電子ビーム焼き入れ

  • 処理方法:電子ビーム照射 → 急冷
  • 特徴:高精度・高密度な硬化が可能。高価な設備が必要

この処理は、部品の寿命延長や性能向上に不可欠で、機械加工部品や自動車部品などに広く使われています。もし特定の材質(例:S45CやSCM440)や部品形状に合わせた処理条件を知りたい場合は、さらに詳しくご案内できますのでお問い合わせください。

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