技術用語集 熱処理 時効処理
時効処理(Aging Treatment)は、金属材料に時間をかけて性質を向上させる熱処理です。一定温度で材料を保持し、時間の経過とともに微細な析出物を形成させることで、機械的性質を改善します。
特に、アルミニウム合金、銅合金、マルエージング鋼などの析出硬化型材料に対して行われ、強度や硬度を高めるために不可欠な工程です。
時効処理の主な目的
- 強度・硬度の向上:析出物が結晶粒界や格子内に分布し、変形を妨げることで強度が増す
- 寸法安定性の確保:長期使用時の変形や応力緩和を防止
- 電気・磁気特性の調整:特定の合金で導電性や磁性を制御可能
時効処理条件の例
- 自然時効:室温で時間をかけて性質が変化する(例:A6061-T4)
- 人工時効:加熱して短時間で性質を変化させる(例:A7075-T6)
この処理は、航空機部品、精密機械、電子部品など、性能が長期にわたって安定して求められる分野で広く使われています。