技術用語集 熱処理 低温焼きなまし
低温焼きなまし(Low-Temperature Annealing)は、金属材料に対して比較的低い温度で行う熱処理で、主に加工硬化の緩和や残留応力の除去を目的としています。とくに精密部品や非鉄金属に対して有効な処理です。
低温焼きなましの特徴
- 加熱温度:200〜400℃程度(材質によって異なる)
- 冷却方法:徐冷(炉冷)が一般的
- 処理時間:数十分〜数時間(部品のサイズや材質により調整)
低温焼きなましの主な目的
- 冷間加工後の加工硬化の緩和
- 曲げ・圧延・絞り加工などによる残留応力の除去
- 精密部品の寸法安定性の確保
- 後工程(切削・研削など)の加工性向上
低温焼きなまし処理は、高温焼きなましと違って組織変化が少ないため、寸法精度が重要な部品や、後工程での変形を防ぎたい場合に非常に有効です。